麻疹ワクチン、吸入タイプのエアロゾルワクチンは皮下注射に劣性

日本でも定期接種の一つである、麻疹ワクチンですが、世界では吸入タイプのワクチンを接種しているところと皮下注射で接種しているところがあります。
この麻疹ワクチンですが、WHOのNicola Low氏らによる非盲検無作為化非劣性試験の結果、吸入タイプのエアロゾルワクチンは、従来型である皮下に注射するワクチンと比較して、免疫原生は認められたものの血清陽性率については劣性であったことがわかりました。

吸入タイプのエアロゾルワクチンはメキシコで開発されて、1980年代以降に400万人に接種されてきました。吸入タイプなので、臨床的な訓練の必要がなく注射関連の感染症の心配もないことから、特に医療資源の乏しい発展途上国での使用拡大が期待されています。しかし、有効性に関して相反するデータが示されてきました。

これらの検討はインドで、2009年12月20日~2010年4月5日に麻疹ワクチンの初回接種が適格とされる生後9ヶ月から11.9ヶ月までの子供を集めて行われたものです。ワクチン接種をエアロゾル吸入で行う群と皮下注射で行う群に無作為に割り付けて接種が行われました。

主要エンドポイントは、ワクチン接種後91日時点の、抗麻疹抗体の血清陽性率および有害事象としました。また非劣性のマージンは5ポイントとしました。

ワクチン接種例(計2004例)

  • エアロゾルワクチン群(1,001例)
  • 皮下注ワクチン群(1,003例)

接種を受け91日時点のフォローアップを受けた例

  • エアロゾルワクチン群(775例)
  • 皮下注ワクチン群(785例)

(そのうち331例(17%)のデータは、検体輸送時の解凍によりアウトカムデータを得ることができなかった)

結果:血清陽性率

  • エアロゾルワクチン群(85.4%、95%信頼区間[CI]:82.5~88.0%)
  • 皮下注ワクチン群(94.6%、同:92.7~96.1%)

エアロゾルワクチン群のほうが血清陽性率は低く、両群差は9.2ポイント(95%CI:-12.2~-6.3ポイント)でした。

 

どちらのタイプのワクチンにおいても麻疹ワクチン接種による重大有害事象は報告されませんでした。また、有害事象は両群で同程度の報告でした。

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>